筋緊張性頭痛
パソコン作業やスマホ操作など、うつ向いた姿勢で長時間作業していたり、同じ姿勢で肩の筋肉が凝り固まり、肩甲骨~首筋にかけての筋の緊張が高まると、頭痛の原因になります。
このような肩こりや肩周囲の血行不良などからくる頭痛を筋緊張性頭痛と言います。
一般的にストレスや不眠症でも悪化することがあり、入浴や肩を温める、肩のストレッチ、体操などリラックスすることで改善します。重度の肩こりがある場合は、頚肩腕症候群といって手指のしびれや脱力感、めまい感などを伴うこともあります。また片頭痛と合併することもあります。
片頭痛
例えば、月に2、3回左のこめかみがズキンズキンと脈打つように痛み、発作が始まると4、5時間は続き、吐き気、嘔吐やめまいも感も伴う場合もあります。長い場合は半日横になっていないと駄目な場合もあります。光、におい、音の刺激に敏感になり、暗い静かな部屋に寝ていたいと感じる場合もあるでしょう。
頭痛発作の前兆は、出る場合と出ない場合がありますが、キラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性の前兆が最も多くみられます。
片頭痛は、片側が痛むことがほとんどですが、約40%の片頭痛患者さんが両側性の頭痛を経験しておられます。片頭痛は女性に多いのも特徴です。
片頭痛の特徴
- 片側性の頭痛が典型的、4割は両側性
- 拍動性(ドクンドクン、ズキンズキン)
- 起き上がれないほどの痛み
- 体を動かすと、悪化する
- 嘔気、嘔吐
- 音過敏、光過敏、におい過敏
とりわけ片頭痛の治療は大きくわけて2種類あります。
頭痛発作が起きた際の急性期治療と、頭痛発作がない日にもあらかじめ毎日お薬を飲んで、頭痛発作を起こりにくくし、また、頭痛発作が起こっても軽くすむようにするための予防療法です。
急性期治療にはトリプタンを使用します。比較的軽度の発作では、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)やアセトアミノフェンが用いられます。
片頭痛の患者さんではこのような急性期治療薬を使用しすぎると逆に頭痛が悪化したり、慢性化したりすることがあります。これを「薬剤使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」と呼びます。
また、片頭痛の予防薬としては塩酸ロメリジンやバルプロ酸などが用いられます。
そのほかにも漢方薬として五苓散や呉茱萸湯が用いられます。
- 天気の悪い日、台風のシーズンや梅雨などに起こる頭痛発作には気圧の変化による脳のむくみが関連し、五苓散による水分調整作用が効果があるとされています。
- また女性の場合、月経周期に関連した片頭痛発作もまれではなく、複数の漢方を組み合わせることで発作を軽減する方法もあります。