パーキンソン病の特徴
手足のふるえ 転倒しやすい
最近、手足のふるえが気になる、体のバランスを崩しやすく、転倒しやすくなったなど、足腰の筋力の低下や、脊椎疾患(整形外科的な問題)では説明がつかない場合もあります。
手足のふるえは、規則正しいリズムの場合は「振戦」といい、安静時に起こるか、動作時に起こるか、左右対称かなどで原因となる病気が異なる場合があります。
安静時振戦
パーキンソン病では片側の安静時振戦が特徴的です。
筋強剛
筋強剛といって、体の手首、肘、肩や膝、足首などの関節が硬くなり、手足の動かしずらさを感じることがあります。
歩行も歩幅が狭くなり、ちょこちょこ歩き(小刻み歩行)になります。最初の一歩が踏み出しずらく、足がすくむなどの症状も見られます。急激な姿勢の変化に弱く、後方に転倒しやすくなります。
原因
原因としては中脳の黒質線条体という部位から出るドーパミンの放出が減少することで、体の細やかな運動やバランス制御が難しくなるのが特徴です。
特徴的な症状としては
- 安静時の振戦
- 筋強剛
- 動作緩慢
- 姿勢反射障害
などがあります。
パーキンソン病には治療薬があり、ドーパミンの補充を内服で行うことで、ある程度の症状の改善が期待できます。ドーパミン自体は分解されやすいため、Lドーパというドーパミンのもととなるものを投与します。
パーキンソン症候群について
手足のふるえや体が硬い、手足が勝手に動く(ぴくっとなる)など、パーキンソン病に似ていて、原因が異なる疾患にパーキンソン症候群があります。
以下のようにいくつか原因があります。
薬剤性パーキンソン症候群
- 抗うつ剤や抗精神病薬など精神科領域で使用される内服薬の副作用としてパーキンソン病と同様の症状が現れることがあります(薬剤性パーキンソン症候群)。
- この場合は原因と思われる内服を中止して3〜6か月程度様子を見ることが多いです。
- 症状はゆっくり改善していくことが多いです。
脳血管性パーキンソン症候群
- 脳梗塞を発症したことのある方で、次第に手足の筋肉が硬くなり、歩行障害が現れることがあります。
- 手のふるえ(振戦)は目立たず、歩行障害が目立つのが特徴です。
- 脳血管性パーキンソン症候群といい、脳梗塞の予防や血圧管理、リハビリによる歩行訓練や手足の筋緊張をほぐすようにマッサージや運動、ストレッチなどが治療のメインになることが多いです。
- ドーパミンの補充は行うこともありますが、効果はパーキンソン病よりは効きにくいことが多いです。
- 筋肉が固くなることで痛みが出たり、ぴくっとなる筋肉のけいれんがひどい場合は、筋肉の緊張をほぐす内服や注射を行う場合もあります。
正常圧水頭症
- 認知症、尿失禁、歩行障害の3症状をみとめることが多い疾患です。
- 小刻み歩行、すくみ足が目立ち、動作が鈍くなり、パーキンソン病に非常に似た症状をみとめます。
- 診断は頭部の画像検査で脳の溝(脳室)の拡大がないかを確認し、脳脊髄液の圧を測定して診断します。